movie_99’s diary

映画や音楽やらの感想をぼちぼちと。

【映画レビュー】『モリーズ・ゲーム』

試写で拝見させてもらった。何よりも『マネー・ボール』『ソーシャル・ネットワーク』『スティーブ・ジョブズ』の天才アーロン・ソーキンの監督デビュー作。期待値をかなりあげて見たが、監督としても将来有望であることが、証明された作品となっただろう。…

【映画レビュー】『ミスミソウ』

内藤瑛亮作品の作家性やポテンシャルは毎回とても面白いと思うのだが、その中でも好きが上回る作品と苦手が上回る作品が個人的には半々という感じであった。そんなスタンスで話題になってる今作を見てきたが、内藤瑛亮の現状最高傑作であることは疑いような…

【映画レビュー】『レディ・プレイヤー1』

今年は個人的に映画の当たり年だと思っているが、また大傑作だ。スピルバーグ作品が1ヶ月以内に2作品も公開されるという異常事態に遭遇でき、そしてそのうちの一本が今作だった喜びを噛み締めたい。2018年にスピルバーグが焼き付けた集大成は、ポップカルチ…

【ドラマレビュー】『ハンド・メイズ・テイル/侍女の物語』

Huluで毎週ちまちま更新されやっと見れた全10話。いやぁ、喰らった。昨年のエミー賞を総なめにしたのも納得の、リアルタイム性と普遍性を兼ね備えるフィクションとしての面白さだ。10時間ですら、この作品が描き出そうとしてる壮大な世界のほんの一部しか見…

【映画レビュー】『ジュマンジ /ウェルカム・トゥ・ジャングル』

オリジナルのジョー・ジョンストン「ジュマンジ」はお気に入りの映画だ。スペクタクルの見せ方が気が利いているし、ロビン・ウィリアムズの演技がとにかく素晴らしかった。現実と非現実を混沌とさせるファンタジーとして名作だった。そんな中、今回のリメイ…

【映画レビュー】『娼年』

実は三浦大輔作品は元々そんなに得意ではない。「ボーイズ・オン・ザ・ラン」の平坦さ、「愛の渦」の悪い意味でのやりすぎ感には首を傾げざるおえなかった。「何者」は唯一好きと言える映画ではあったが、それでも映画としての弱さみたいなのは感じた。しか…

【映画レビュー】『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

素晴らしかった。これを見ると、思えばスピルバーグは、デビュー作「激突」の頃から”見えない敵との戦い”を描いてきたと感じる。今作でもそれは、冒頭のベトナムでの銃撃戦で敵兵の姿を一切映さない演出から一貫されている。今作の「敵」であるニクソンも後…

【映画レビュー】『ボス・ベイビー』

ドリームワークスアニメーション作品だ。劇場で最後に見たのは多分小学生の時に見た「ヒックとドラゴン」だろう。いや、ここ数年のドリームワークスも面白いのが多いのだが、劇場公開がなかなかされないのだ。「カンフーパンダ3」「メガマインド」あたりはス…

2018年の音楽(3月)

今月に入っても正直「black panther the albam」をずっと聞いていたのだが、今月リリースだと、やはりスーパーオーガニズムとXXXテンタシオンを時間が空けば聞いてた。 正直、前者は未知数だが後者は完全に傑作である。2000年代初期のレディオヘッドの鬱憤を…

【映画レビュー】『素敵なダイナマイトスキャンダル』

やはり冨永監督の映画は面白い。と言いつつ、去年の「南瓜とマヨネーズ」を見逃してしまっている自分だが、「乱暴と待機」「ローリング」に続き、相変わらず面白くて安心した。今回は一代記もの。正に、日本版「ウルフオブウォールストリート」や「ブギーナ…

【映画レビュー】『ちはやふる ー結びー』

人間には一瞬を永遠にする力がある。 劇中、周防名人が放つこの一言が、この作品にとって全てなのだろうと思う。多分自分はこの映画を見てる間、ずっと「あの時間」に胸ぐらつかまれていた。このシリーズが描いてきた青春という時間について、今作はさらに掘…

【ドラマレビュー】『anone』

傑作だった…という言葉しか出てこない。これは1話ごと感想を書いていくべきだったが、なんとか総評を残しておく。個人的には昨年の「カルテット」も凄かったが、今作で描かれるニセモノとホンモノこそ、坂元裕二という作家の一つの到達点だと思う。 「mother…

【映画レビュー】『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

試写で鑑賞。実話、伝記もののこのようなタイプの映画は数多くある。言ってみれば、アカデミー賞が好みそうな作品という言い方ができるような作品群だ。そんな中でも、イギリスの伝説的首相、ウィンストン・チャーチルを描いた今作は、比較的コンパクトかつ…

【ドラマレビュー】『ビッグ・リトル・ライズ』シーズン1

去年エミー賞を総なめにした「ハンド・メイズ・テイル/侍女の物語」を見るために、やっとHuluに入会したのだが、HBO系のドラマが今月いっぱいで配信終了するらしく、急遽そちらのドラマの消化に入った。そのうちの一本である今作「ビッグ・リトル・ライズ」…

【映画レビュー】『リメンバー・ミー』

ピクサーはカールじいさんが風船で空を飛んでから以来、一歩大人向きな作風になった印象だ。その要因はいろいろあるが、一番は「死」というものを作品内で感じさせるようになったからだろう。そう考えても「カールじいさんの空飛ぶ家」は相当ダークな映画で…

【映画レビュー】『聖なる鹿殺し』

なんとも言葉にし難い映画だ。「籠の中の乙女」「ロブスター」に続く、ギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス(しかもまだ44歳!)新作は、不条理で邪悪な悪夢を、鋭く大胆な映像で見せられる傑作だった。監督がギリシア出身ということで、ギリシャ神話をか…

2018年の音楽(1月、2月)

これからその月にリリース、発表された主な音楽を月ごとにまとめるということをやろうと思うのだが、とりあえずここでは、年明けから1月、2月の音楽をまとめておく。 まず、2017年の音楽界を記録も兼ねてざっと振り返っておきたい。Apple Musicですら過去の…

【映画レビュー】『シェイプ・オブ・ウォーター』

つい先日、第90回アカデミー賞で、見事作品賞に輝いた本作。自分も、WOWOWのソーシャルビューイングで落涙していた町山さんほどではなかったが、この結果には興奮した。それはひとえに、ここ最近かぶることなかった作品賞と監督賞の受賞が一致した、そしてそ…

【映画レビュー】『ブラックパンサー』

2018年に何があったか? これからこの年のことを振り返る上で「ブラックパンサー」の名前を挙げないことはないだろう。正に今年を、そしてリアルタイムを象徴するポップカルチャー史の一つの進化を見たと言っても過言ではない。この映画で、MCUおよびディズ…

【映画レビュー】『ダウンサイズ』

アレクサンダー・ペインは現代のアメリカ人監督でも個人的には指折りにお気に入りの監督である。近年、固定のファンがついており、ここ3作品は全てオスカーにノミネートされているなど、批評家の信頼も確立してきてはいたのだが、今作「ダウンサイズ」に関し…

【映画レビュー】『ビッグシック ぼくたちの大いなる目覚め』

自分はアパトーギャング贔屓の人間なので、ジャド・アパトーがプロデュースに入っている今作も外せない映画だったわけだが。今作で重要なのはむしろプロデュースのジャド・アパトーよりも、主演のクメイル・ナンジアニの実話であるというところかもしれない…

【映画レビュー】『ビガイルド 欲望のめざめ』

「白い肌の異常な夜」を今作の公開に合わせて今年の年明けに見た。名匠ドン・シーゲルによって1971年に放たれたこの映画は、そこから「アルカトラズの脱出」でも組むこととなるクリント・イーストウッドを主演に迎え、女の園に足を踏み入れてしまった男を中…

【映画レビュー】『ぼくの名前はズッキーニ』

昨年のオスカーで長編アニメーション賞にノミネートされた作品である。スイスで作られたこのストップモーションアニメは、とてもハードな現実を扱っていながら、同時に可笑しみと何かを知ることへの新鮮さで成り立つ子供の世界を描き、観るものをハッピーサ…

【映画レビュー】『悪女』

近年の映画における「アクション」の進化は尋常ではない。リベリオン、ジョンウィック、アトミックブロンド、ハードコア(この中の半分は87elvenの仕事だが)などなど、数々の撮り方、手法、技術が更新されてきた。日本でもHiGH&LOW シリーズが代表されるだ…

【映画レビュー】『15時17分、パリ行き』

試写で鑑賞。アメリカでは先にネガティブ評が溢れている本作だが、見てみるとその理由は、単純なテロリズムの描き方などのポリティカルな側面だけではなく、この映画の作り自体のトリッキーさにあると思う。ストレートに言うとすごく変な映画だ。しかし、そ…

【映画レビュー】『サニー/32』

個人的に白石和彌は現在の日本映画界でも、最もパワフルな作家であると思っている。「凶悪」でその只者でなさを堂々と見せつけ、「日本で一番悪いやつら」でカウンターパンチを食らわされ、「雌猫たち」「彼女がその名を知らない鳥たち」で、依存してないと…

【映画レビュー】『ルイの9番目の人生』

ルックとタイトルだけ見ると、なんともティム・バートンが撮りそうなダークファンタジーの香りがするが、監督は全く違うタイプのアレクサンドル・アジャ。若手ホラー作家の未来として一時期とても注目されていたが、もうすっかり職人監督化している。たしか…

【映画レビュー】『リバーズ・エッジ』

自分はほんとに漫画を読まない。読んだとしても、映画か何かしらの原作で、あくまで映像作品の補完として読む程度だ。それは勿論、岡崎京子の90年代の伝説的コミック「リバーズ・エッジ」も例外ではない。熱狂的なファンが大勢いる今回の原作だが、自分は今…

【映画レビュー】『犬猿』

兄弟、姉妹の軋轢と嫉妬を描いた映画は数あるが、吉田恵輔監督はそんな普遍的な物語を、とても現代的に、ナチュラル且つアイロニカルに描き出した。控えめに言って大傑作である。 まず、このオリジナル脚本のクオリティの高さを特筆したい。近年のティーン恋…

【映画レビュー】『羊の木』

人が一線を超えてしまったとはよく言うが、その一線とはどのラインなのか、そんなことを奇抜な設定と、苦い青春物語として、やだ味たっぷりな田舎コミュニティの中描ききったのが本作「羊の木」だ。 吉田大八監督はそれまで世界の複雑さに目を向けた作品が多…