movie_99’s diary

映画や音楽やらの感想をぼちぼちと。

2018-02-26から1日間の記事一覧

【映画レビュー】『サニー/32』

個人的に白石和彌は現在の日本映画界でも、最もパワフルな作家であると思っている。「凶悪」でその只者でなさを堂々と見せつけ、「日本で一番悪いやつら」でカウンターパンチを食らわされ、「雌猫たち」「彼女がその名を知らない鳥たち」で、依存してないと…

【映画レビュー】『ルイの9番目の人生』

ルックとタイトルだけ見ると、なんともティム・バートンが撮りそうなダークファンタジーの香りがするが、監督は全く違うタイプのアレクサンドル・アジャ。若手ホラー作家の未来として一時期とても注目されていたが、もうすっかり職人監督化している。たしか…

【映画レビュー】『リバーズ・エッジ』

自分はほんとに漫画を読まない。読んだとしても、映画か何かしらの原作で、あくまで映像作品の補完として読む程度だ。それは勿論、岡崎京子の90年代の伝説的コミック「リバーズ・エッジ」も例外ではない。熱狂的なファンが大勢いる今回の原作だが、自分は今…

【映画レビュー】『犬猿』

兄弟、姉妹の軋轢と嫉妬を描いた映画は数あるが、吉田恵輔監督はそんな普遍的な物語を、とても現代的に、ナチュラル且つアイロニカルに描き出した。控えめに言って大傑作である。 まず、このオリジナル脚本のクオリティの高さを特筆したい。近年のティーン恋…

【映画レビュー】『羊の木』

人が一線を超えてしまったとはよく言うが、その一線とはどのラインなのか、そんなことを奇抜な設定と、苦い青春物語として、やだ味たっぷりな田舎コミュニティの中描ききったのが本作「羊の木」だ。 吉田大八監督はそれまで世界の複雑さに目を向けた作品が多…

【映画レビュー】『RAW 少女のめざめ』

2年前ほどにカンヌで話題になった本作だが、とても面白かったと同時に、一年周期ぐらいで、音楽も含め、ムーブメントやトレンドが変わる今の時代、これが2年前の映画とはとても思えない、2018年の映画の風格が凄まじい映画であった。 近年ホラーのトレンドで…

【映画レビュー】『パディントン2』

この映画を見ると決定的だが、今年のテーマは理想を謳い上げることにあると思う。そして、今作もその系譜の映画であった。 所謂理想的な世界というものを「パディントン2」はなんの恥ずかしげもなく描ききっている。しかし、それでも尚この映画が綺麗ごとに…

【映画レビュー】『スリー・ビルボード』

前作「セブンサイコパス」で、悪趣味なまでのバイオレンスの中、カッコ悪い、何もかも上手くいかない大人たちの破滅と生き直しを、ハリウッドという地球上で映画を撮るに最もメタな場所と絡めて描ききったマーティン・マクドナーが、根幹の大人たちの破滅と…

【映画レビュー】『殺人者の記憶法』

完全にクリストファー・ノーランのデビュー作「メメント」以降の作品であり、中盤の展開やこの映画のトリックもそれに似た感じではあったが、結果的には韓国映画の安定した面白さをまたも突きつけられた映画となっていた。 かなりこねくり回した脚本にはなっ…

【映画レビュー】『デトロイト』

近年「ハートロッカー」や「ゼロダークサーティ」など、現実を演出してきたキャスリン・ビグロー監督だが、今作はそんな彼女が新たなレベルに達した一本であり、現状最高傑作だと考える。 前述した2作はいずれも素晴らしい映画だが、言うところの観客に考え…

【映画レビュー】『バーフバリ 王の凱旋』

正直、今までインド映画というジャンルにあまり明るくなかった自分でも、本作が滅茶苦茶燃えて、面白いと感じた理由はいくつかある。まず、それはS・S・ラージャマウリの幅広い手札と思い切りの良さであろう。 この映画の物語はというと、今現在では珍しいく…

【映画レビュー】『キングスマン ゴールデンサークル』

世界的ヒットを飛ばした「キングスマン」の続編となる今回。仕掛けるのはおなじみのマシュー・ボーンとジェーン・ゴールドマンの監督・脚本コンビだが、正に前作以上の問題作となっていた。早速だが以下ネタバレを含む。 前作のキャラクターが半分以上死亡す…

【映画レビュー】『オリエント急行殺人事件』

ケネス・ブラナーという作家は最早リブート作家と言ってもいいように思える。「エージェントライアン」でジャックライアンシリーズを復活させ、「シンデレラ」であの誰もが知ってる古典的クラシックを恥ずかしげもなく、忠実すぎるほどに映画化した。その脇…