movie_99’s diary

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【映画レビュー】『キングスマン ゴールデンサークル』

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 世界的ヒットを飛ばした「キングスマン」の続編となる今回。仕掛けるのはおなじみのマシュー・ボーンジェーン・ゴールドマンの監督・脚本コンビだが、正に前作以上の問題作となっていた。早速だが以下ネタバレを含む。

 

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前作のキャラクターが半分以上死亡するという衝撃のオープニングで幕を開ける本作。この辺りは世間的にも賛否両論あったところではあるが、個人的に思うこの映画の問題点はそこよりも、寧ろこの続編からのキャラクターの描きこみにあると思う。例えば、ジュリアン・ムーア演じる悪役のポピーというキャラクター。前作でサミュエル・L・ジャクソン演じる悪役のヴァレンタイン同様、個人的な世界への理想論を掲げ、そのため虐殺を図ろうとするキャラクターだ。その彼らなりの理想論というところに、今回のポピーはイマイチ説得力に欠ける。ここがあまり魅力を感じられないキャラクターにしてしまってるところである。

 

悪役関連で言うなら、ラスボス的に立ち上がるペドロ・パスカル演じるウイスキーというキャラクター。彼にも前半でドラマを用意しなさすぎなせいで、クライマックスの展開が、ビタイチ展開的に上がらない。設定を付け足していく脚本は純粋に下手としか言いようがなかった。

 

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さらに、今回のエルトン・ジョンの扱いには首を捻らざるおえない。本来だったらカメオ出演ほどで十分な役柄なのにわざわざクライマックスで絡ませて必要以上のカットバックをしてくる。「Saturday Night's Alright For Fighting」を流すのはいいが、前述したカットバックによってネタ要素があまりに大きくなってしまっている。この内輪ネタに耽溺してる感じが、従来の007的スパイアクションの復活というこのシリーズの本来の方向性が、「オースティンパワーズ」のようなオマージュやパロディのモザイクで出来たスパイアクションに成り下がってしまっている原因であると思う(「オースティンパワーズ」は最高だが)。

 

勿論良かったところもある。今作は何と言ってもアクションの格上げ感が魅力的。前作や、その他のマシューボーン作品でもアクションは常々最高だが、本作はさらに高みを目指してる。カメラに映ってない部分ですら見えた気になる視野の広いアクションをカーチェイスの車という密室の中でやるセンスの確かさ。クライマックスのポピーランドへ殴り込みをかけるアクションシーンも、前半で提示したアイテムを片っ端から使っていく、「おもちゃ遊び」的楽しさがあった。このことで今回マシュー・ボーンは脚本の整合性ではなく、映像的快楽を優先させたと十分伺える。ただ、それでもやはり物語で感動させてきた今までの監督作とは比べ物にならないほど穴だらけの出来だ。アクションを思いの外楽しんだのでまだマシだったが、典型的な出来の悪いアフターストーリーで言えてしまえると思う。