movie_99’s diary

映画や音楽やらの感想をぼちぼちと。

2018年の音楽(1月、2月)

これからその月にリリース、発表された主な音楽を月ごとにまとめるということをやろうと思うのだが、とりあえずここでは、年明けから1月、2月の音楽をまとめておく。

 

 

まず、2017年の音楽界を記録も兼ねてざっと振り返っておきたい。Apple Musicですら過去のものになり、Spotifyなどのストリーミング無双が進んでいた2017年は、とっくに始まっていたヒップホップ化が世界的に、そして大衆的に決定的になった年であった。それは去年のグラミーを見てみても、ベストラップアルバムの枠を超え、ケンドリックラマーが最多ノミネートを果たしたり、全体をヒップホップやオルタナティブR&Bをはじめとする非白人音楽のノミネーションが占めていたのが象徴的だ。勿論、個人的にはロジックやXXXテンタシオンなどの若手たちの存在と活躍が、一概に非白人の人たちだけの活躍とは言えない(ロジックに関しては黒人系の血も混じっているが)と思うのだが、ブラックミュージックに対する世界の熱の高まりようはここ最近でも「ブラックパンサー」のヒットなど、音楽以外のところでも見えるほど、高まっている。

 

その中、そのようなヒップホップやR&Bが「普通に」当たるようになっているのが、前提として2018年はあるのだと思うのだが、その1月に早速出た、カミラカベロとミーゴスも当然のようにストリーミングで結果を出し前者は日本でもパフォーマンスされたほど、ムーブメントを国内でも起こした。前者のヤングサグと組むセンスや従来のR&Bとは一本線を引いたようなポップス的なサウンドで、フィフスハーモニー脱退以降の自身の音楽性を少しだが定められたアルバムであったと思う。後者のミーゴスは「culture」よりかはパンチが効いてない感覚もいささかするが、彼の不良性と凶暴さで綴られたリリックの嵐は相変わらずとても濃厚であった。

 

そんな中、2月に発表されたジャスティン・ティンバーレイクの新譜には驚くと同時に2018年最初のベスト級が投下されたと思った。前述したような、音楽界のブラックミュージックや非白人音楽のムーブメントの中で、ディズニーチャンネル出身で、インシンクの元メンバーの彼が、ネイティブアメリカンの血も混じっていながらも、根っからの白人であり、人種的にはマジョリティである自分の今のポップカルチャーの渦中にいる立場を自虐的に歌ったこのアルバムはとてもセンセーショナルであり、今の時代では一周回って新鮮な視点を持った作品となっていた。それでいて音楽自体の革新性と大衆性も持ち合わせる凄技を繰り出せるのは彼だけだろう。現にこのアルバムはビルボードで初登場一位になるなど、世間的にもヒットしたアルバムとなった。俳優業も惜しみなくやり今年はウディ・アレンの新作も控えてる彼は、一方でスーパーボウルのパフォーマンスのホログラムでのプリンス追悼など、我々の想像していないことに手をつけ、魅せきる。この彼のポップアイドル性は音楽界でどのようなムーブメントが起こったとしても変わらないものだと改めて証明されたのではないか。

このアルバムに関しては宇野さんのこの記事がとても詳しいので、聞いた人は是非参考に。

 

あと、個人的には2月にベスト級がもう一つ。それはケンドリック・ラマーによる「black panther the albam」だ。映画「ブラックパンサー」のインスパイアアルバムとして発表されたこのディスクは映画内で流れる数曲も含む、14曲で構成されたアルバムだが、確実に映画とは別のところで、ケンドリック・ラマー自身が新しいコンセプトを持って完成させてしまった、正に彼の新たな傑作と言っても過言ではない完成度を誇ってしまった作品だった。SZAやザ・ウィークエンドなど豪華なアーティストの中、それぞれ一曲一曲のハイクオリティさとアルバム全体の構成力は今回も抜群である。同時にこの中の代表曲「ALL THE STARS」をはじめとした楽曲は、精神性自体は初期の「To Pimp A Butterfly」における「Alright」に似ている。正に「DAMN」以降というよりは、初期より大事にしてきた、「飛躍と肯定」を大事にした印象のアルバムだった。

 

 

あとはMGMTやフランツフェルディナンドの新譜も注目だが、個人的には両作品ともあともう一押し欲しい感じであった。普通に悪くはないのだが、何か食い足りなさ、物足りなさが残ってしまうアルバムであった。

 

 

 

国内で個人的に注目はやはり小沢健二星野源だろう。「アルペジオ( きっと魔法のトンネルの先)」は曲としてのかっこよさもさることながら、最早自身が高い山にいたであろう90年代に向き合い送ったポエムであり、「今でもすごい人」岡崎京子( Mステ出演時の小沢健二の発言)へのラブレターでもある。このポエトニックかつエモーショナルな小沢健二のメロディと、二階堂ふみ吉沢亮という若い世代に託す「語り」にグッとくる。この「語り」に関してはシングルに収録されている満島ひかりとの「ラブリー」も同じことが言える。

星野源の「ドラえもん」は凄くいい。ドラえもんの世界や映画のお話を描くリリックではなく、今回はあくまで我々から見たドラえもんという世界のお話であり、彼なりのドラえもん論にしっかりなっているのが素晴らしい。「少しだけ不思議な普段のお話」という歌詞の普段という言葉が醸す現在性、我々と一緒に時を進んでいる感の先に「いつか時が流れて必ずたどり着けたら君を作るよ」という歌詞があるからこそ、その時間の流れにグッとくるのである。勿論このサビの歌詞は、ファンが考えた伝説の最終回と言われる「のび太が将来ドラえもんを発明する」というエピソードに引っ掛けてるわけだが、この普段から、普通からの飛躍こそ「ドラえもん」であるということが、この曲自体の構成自体で浮き彫りになっていくのが見事だと思った。

 

 

ドラえもん

ドラえもん

 

1月、2月に関してはこのような感じ。文量がかなり多くなってしまったが、3月からは1ヶ月単位でまとめていくので、恐らくここまで書かずざっと記録程度になっていくと思う。これを1年間続けて、年末にそれを見返しその年を振り返れたらなと思っている。