movie_99’s diary

映画や音楽やらの感想をぼちぼちと。

【映画レビュー】『ボス・ベイビー』

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ドリームワークスアニメーション作品だ。劇場で最後に見たのは多分小学生の時に見た「ヒックとドラゴン」だろう。いや、ここ数年のドリームワークスも面白いのが多いのだが、劇場公開がなかなかされないのだ。「カンフーパンダ3」「メガマインド」あたりはストリーミング配信になってしまった。まあ自分は、結構初期の「シュレック」かアードマンと組んで作った「チキンラン」がベストなのだが、それでもこのような現状なのは結構寂しく思っていた(現に去年の「Captain Underpants」も一切公開、ストリーミングのアナウンスがされてない)。そんな中、今回の「ボス・ベイビー」が無事劇場公開され、日本で大ヒットしている事実は素直に嬉しいところだ。自分が見に行った回も満席であった。それに加え、今回の「ボス・ベイビー」は従来のドリームワークスというより、チャック・ジョーンズが60年代あたりから積み重ねてきた、ワーナー・ブラザースアニメのスピリットを感じさせる作りだったのも、個人的にはもう一つ嬉しいあたりだった。

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近年でワーナーアニメの感覚をオマージュしていた作品としては、クリストファー・ミラー&フィル・ロードの監督、プロデュースのアニメ作品があるだろう。「くもりときどきミートボール」「レゴ・ムービー」「コウノトリ大作戦」。このワーナーアニメオマージュというのは、数分に一回起きるギャグと伏線、とにかく情報量の多い画面、ハイテンションなアクションとキャラクターにあると思う。そして、今作でもそれは受け継がれている。

まず、ボス・ベイビーというキャラクターだ。これは明らかに、「ロジャー・ラビット」のベイビー・ハーマンをオリジナルとしているだろう。赤ん坊×おじさんというプロット自体はかなり見覚えがあるはずだ。あと、この少年の妄想好き、物語好きという設定は、初期のチャック・ジョーンズの傑作「From A to Z- Z- Z- Z」を下敷きに敷いてるという指摘をTwitterで見つけて成る程と思った。確かに序盤のフレームさばきは、かなりこの作品を連想させる。そして、それぞれ民家に忍び込んで、それぞれの家から集まり大人たちにバレないように会議をしたりする様は、ワーナー映画「キャッツ&ドッグス」を連想させる。あれは実写とCGアニメの融合だが、今作における赤ちゃんをペットに置き換えると明らかに「キャッツ&ドッグス」になる。このように、ワーナースピリットが満載なのは完全に自分得だった。

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ストーリー的には言いたいこともある。悪役はもう少し描きこんでから正体を明かすべきであるし、何か物語が終盤に行くにつれてどんどん平坦になっていく気もした。どうにも、ハイライトを置く場所を迷ったのか、全体的に中途半端な盛り上がりが何箇所かに散らばってしまった印象がある。しかし、「子供時代」という、過ぎ去ってしまったらもう戻ってこない時間に、しっかり向き合った物語には素直に感動させられた。前述した少年の、妄想癖もここで活きてくる。このようなことをできるのは今だけだと。そして、ラストのある意味帳消しになる展開で、この物語自体が、実は少年の1人遊びだったのではないかというグレー感を残す作りにもなっていて、少しほろ苦い後味も残す作品になっている。このバランス感覚が今作で最も魅力的なところだろう。安易なノスタルジーや記号付ではない子供時代への賛歌を映画で久々に見た。