movie_99’s diary

映画や音楽やらの感想をぼちぼちと。

【映画レビュー】『ジュマンジ /ウェルカム・トゥ・ジャングル』

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オリジナルのジョー・ジョンストンジュマンジ」はお気に入りの映画だ。スペクタクルの見せ方が気が利いているし、ロビン・ウィリアムズの演技がとにかく素晴らしかった。現実と非現実を混沌とさせるファンタジーとして名作だった。そんな中、今回のリメイク版がアナウンスされた時、キャスト陣や予告の雰囲気を見る限りでは、かなり別物のアクションコメディになっている感じでかなり不安だったのが正直なところだ。しかし、見てみるとそんな不安とは真逆の作品でとても良かった。すごく面白い。

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この映画を見て誰もが思うし、事前の情報でもかなりでていたのが、ジョン・ヒューズ「ブレックファストクラブ」を下敷きにしているという点だ。近年のアメリカ青春映画のジョン・ヒューズリスペクト率は半端ないものがあり、大体の近年の青春映画がその一点に集約されてしまうのは少し窮屈な気もするが、個人的にはジョン・ヒューズが好きなので、全然歓迎である。と言いつつ、今作は表向きで「ブレックファストクラブ」の構図を取りながら、中身はしっかり「ジュマンジ」をやっていたなというのが嬉しいあたりだった。

個人的に、今作がしっかりオリジナル版のスピリットを受け継いでいたと思う点がいくつかあるのだが、テーマがわりと似通っていたというのがまずある。オリジナル版の靴工場にせよ、今作における学校にせよ、目を背けたくなる現実がそこにはあって、その現実から逃げようとするも、再び現実を受け入れて生きていこうとするまでの物語なのだ。さらに、前作だと現実に非現実が侵食していき、現実を取り戻すことでまたやり直していくお話だったのが、現実から非現実の世界に飛び込み、また帰ってくるという逆のシンプルな構造にすることで、このテーマがさらにわかりやすくなっていると思う。ニック・ジョナス演じるアレックスを巡る結末も実はオリジナルの結末と合わせ鏡だなと思ったり。

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キャスト陣もとても良い塩梅で演技していた。ドウェイン・ジョンソンケヴィン・ハートジャック・ブラックとどう考えても濃い人たちを集めながら、それ以上ピンポイントで目立たせず、お互いを引き立たせるようなバランスでコミカルな演技をしていたのがとても良かった。ジャック・ブラックとか、やりすぎちゃうときはやりすぎちゃう人を、そもそも設定がやりすぎなところで、その設定以上はオーバーにしないというのが、とても良いバランスだと思った。

気になるところとしては、悪役に関してもう一ツイストくらい欲しかったことくらいか。基本的には超絶なバランス力と、ウェルメイドながら誠実な作りでとても満足した。思いの外真面目な作りだったというのが感想なので、もっとぶっ飛んだものが見たい人は肩透かしを食らうかもしれないが、秀作だと思う。ラストの切れ味も素晴らしかった。